寝る時、入れ歯は入れたまま寝ていいでしょうか?【前編】

原則的に夜お休みになるときは、外して休んでください。ただし患者さんによっては入れ歯を入れたままの方が良い場合もあります。

 

入れ歯を入れて寝た方がいい人は?

 

入れ歯を入れていると歯ぐきが圧迫されている状態になります。そのまま寝ると常に圧迫されるため口内炎ができることもあります。それを防ぐためにも、外して歯ぐきや粘膜を休ませてあげることが重要です。いくら入れ歯が快適に使えているとしても、おくちを休ませるのに最良の時間は就寝中です。また外すことによって、入れ歯洗浄を習慣づけることができます。

 

むし虫歯予防の観点からも寝る時は外した方がいいです。睡眠中は唾液の出る量が減ります。唾液には細菌や汚れを落とす効果があり、口の中を清潔に保ってくれます。しかし寝ているときは唾液の分泌量が少なくなり、お口の中が乾燥して、細菌が繁殖しやすい状態になります。入れ歯は凹凸があるため細菌や汚れが付きやすく、衛生面の観点からも外していただくことをお勧めします。細菌が繁殖してしまうと残っている歯がむし歯や歯周病のリスクが高くなるからです。

ある患者さんのお話です。いつもきれいにされていましたが、ある時から急にむし歯が増えて一気に歯を失ってしまいました。夜勤中にスポーツドリンクを飲んで、疲れて入れ歯を入れたまま寝てしまう事が数か月続いたそうです。それが原因です。このようなことにならないためにも注意してください。

ただし入れ歯を入れたまま寝た方がいい方もいらっしゃいます。どのような場合なのか、次回お話していきます。